オルビス株式会社
#WhyPtengine #LPO #顧客理解
新規獲得部 部長・運用広告グループアシスタントマネジャー・クリエイティブチームリーダー
オルビスが「お客様を主語にする」行動指針のもと、Ptengineを活用して顧客理解を運用に落とし込み、LP改善によってCVR最大130%向上を実現。インハウス体制でPDCAを高速化し、2024年の予算達成にも貢献した具体事例を紹介。
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ビューティー業界の競争が激化する中、オルビス株式会社は、さらなる運営の効率化を目指し、約2年前からインハウス(自社運用)を強化。2024年の予算達成の要因の一つとして、LPのクリエイティブサイクルの向上を挙げるまでに成果を上げています。
多くの企業が「顧客理解の重要性」を掲げる中、なぜオルビスは実際の運用レベルまで実践することができたのでしょうか。今回は、新規獲得部 部長の照井さん、運用広告グループ アシスタントマネジャーの今井さん、クリエイティブチーム リーダーの佐々木さんに詳しくお話を伺いました。
要約
Q: 多くの企業が顧客理解の重要性を掲げる中、オルビスさんはそれを実際の業務プロセスに落とし込めていますが、どのようにして実現されたのでしょうか?
照井さん:オルビスには、ブランドとしてありたい姿を確実に叶えるために、8つの行動指針があり、その一つが『お客様を主語にする』です。これはお客様中心に考えるという姿勢を意味しており、お客様を深く理解するほどに、オルビスが本当に届けるべき価値や、伝えるべきメッセージが見えてくると考えています。
商品説明には薬機法の制約があり、広告配信手法にも限界があります。しかし、お客様を深く理解することで、潜在的なお客様を見つけて広げることができ、同時に既存のお客様像をより鮮明に描くこともできます。
結果として、どんなお客様に、何を届けるのかをより具体的に設計できると考えています。

Q: 実際に顧客理解を推進するために、具体的にはどのようなことを行なわれていますか?
照井さん:お客様を知るための方法として、主に3つの視点を重視しています。
まず1つ目は、自社で確認できる広告運用などの定量データです。
2つ目は、外部から取得するデータです。市場調査や未購入者・購入者への1on1インタビュー、コールセンターへの入電内容、VIP顧客との対面イベントでの直接対話など、定性・定量の両面から幅広く情報を収集しています。
そして3つ目は、自社で保有していながら、これまで十分に活用しきれていなかったLP上の行動データです。このデータを分析・活用する上で、Ptengineは強力な武器となっています。
今井さん:Ptengineのヒートマップ機能により、以前は推測するしかなかった顧客行動を色で可視化し、なぜここが赤いのか、なぜ読まれていないのかといった目に見えない部分まで仮説を立てて分析できるようになりました。
特に対面やインタビューによる定性情報が、ヒートマップ分析の仮説の精度や深みを高めていると思います。

インハウス体制の強化による組織変革と意識の変化
Q: インハウス化が進むなかで、どのような変化を感じましたか?
照井さん:全広告を代理店さんに運用していただいた時期は、改善も基本的に代理店さん主導で進めていただいていました。そのため、自社では細かな修正対応が中心となり、自らヒートマップを見て改善点を探るという行動に至っていませんでした。
でも今では、インハウス広告でのLPやバナーの制作工程を自社で企画し、制作する体制になり、社員同士が意見を出し合い議論する場が増えました。その結果、自分たちで深く考え、お客様視点でクリエイティブを生み出す文化が育ってきていると感じています。
今井さん:広告運用に携わるメンバーも増加し、最初は1名から今では6名体制へと拡大しています。まずはリスティング広告から運用を始め、徐々に運用が軌道に乗ることでチーム全体の自信も高まりました。
また、運用体制の強化によって、たとえば「ユーザーの年齢層に変化はあるか」といった最新情報もミーティングですぐに共有できるようになり、情報の鮮度や意思決定のスピードが上がっている実感があります。
2023年9月にPtengineをご導入。以降、活用の広さも深さも拡大しながら、マーケティング体制強化の効果を最大化する劇的な効率化を実現されています。
Q: 新規獲得部全体において、Ptengineはどのような位置づけにありますか?
照井さん:必須だと思っています。CVRが5%上がれば新規顧客数も5%上がるという強い相関関係がありますから、ここへの取り組みはとても重要です。
実際、2024年に予算を達成できた大きな要因の一つが、LPのクリエイティブ改善サイクルを高められたことでした。
佐々木さん:例えば、LPの静止画のファーストビューを動画にしつつ、季節の肌悩みに合った訴求や季節感を感じられるデザインに変更するA/Bテストを行いました。それだけでもCVRが110%、120%向上するケースがよくあります。105%、110%の向上は当然で、120%、130%の改善という施策もありますね。

Q: 広告運用、LPO、そしてインハウス化を進める中で、なぜPtengineが重要な役割を担っているのでしょうか?
照井さん:ツールがあるからこそ「まずはやってみよう」となり、そのうえで、「何を検証するのか」を検討する機会を仕組みとして定着させたことが大きかったです。
佐々木さん:以前は検証内容ごとにLPを分けており、使用していたツールの仕様上、同時に3つ程度のテストという制限がありました。一方でLPも増えて、管理も制作工数も大変という状況でした。
しかしながらPtengineでは、各メンバーが自由にほぼ制限なく使えるようになり、LPのPDCAサイクルが劇的にスピードアップしました。直近では30本ほどA/Bテストが走っている状況で、本当になくてはならない存在です。
また、Ptengineを導入してからは、A/Bテスト機能を使い、LPの本数を増やす前にまず検証を行うようにしています。見込みのある訴求が見えてから本格的に作成することで、無駄な制作を抑え、管理面でも効率化を実現しました。
今井さん:ファーストビューの画像差し替えのようなテストがとても簡単にできますし、慣れていない人でも一回行ってみると直感的に操作でき、一次検証がしやすくなります。
また、社内の体制を強化していく中でまだ手探りで行っているところもあるため、わからないことが出てきた際に、専任の方にはもちろん、チャットサポートにも気軽に聞けることは大変ありがたいです。相談役として助かっています。

Q: Ptengineの導入によって、チーム内での議論や分析の進め方にはどのような変化がありましたか?
佐々木さん:チームでバナーやLPについて議論する機会が増え、お客様視点で考える時間が増加しています。
LPの熟読度をヒートマップで詳しく分析し、どのようなバナーから入ってきて、どの要素が読まれているか、逆にファーストビューで違和感がある部分はどこかなど、データとさまざまなクリエイティブを照らし合わせて分析しています。
今井さん:広告とLPの連携を一気通貫で見ることができるようになりましたね。広告バナーの意図とLPのファーストビューが合わないといった議論が頻繁に行われるため、両者の接続は必須だと考えています。

Q: 分析した後は、どのようにアイデアの発想やその実装へと進めていくのでしょうか?
照井さん:現在は何本でもテストができるからこそ、アイデアが常に溢れている状態を作る必要があります。アイデアを出すことを全員で月に数回ミーティングを行っています。
また、以前は影響度の低い施策を優先してしまうこともありました。現在は議題を決めて影響度やスピードを議論することで、優先順位の調整ができています。
佐々木さん:私がファシリテーターを担当し、『今回はこのことを改善したい』という議題を作り、それに対するアイデア出しを行います。メンバー各自、最低一つ以上は必ずアイデアを考えてくるという宿題のような形で進めています。

Q: 今回ご紹介いただいたお取り組み内容について、他のブランドや業界で適用する際にはどのような条件や工夫が必要になるとお考えでしょうか?
照井さん:成功体験がなければやってみようとはならないかもしれません。私たちの場合、お客様へのインタビューが特に大きなきっかけだったと思います。お客様からの直接のお声などによってハッと気づかされる経験から、その学びを活かして成果が出る。一度でも経験すると「もっとお客様を知りたい」という意識に自然と変わっていきます。
検証内容も、私が「これをやってほしい」と指示するのではなく、チームメンバー全員が、お客様の理解を深めた上で生まれたアイデアを実行できていることにとても意味があると思います。
Q: 最後に、Ptengineを一言でどのように表現されますか?
佐々木さん:一言でいうなら、「LPO必須ツール」ですね。
今井さん:「なくてはならない存在」です。そして、施策に困っていても、これまでにPtengineで実施をしてきた施策を振り返ると、新しいアイデアが浮かぶこともあります。そういう意味ではアイデアツールとも言えるかもしれません。
これからも、お客様をより深く理解し、それを具体的な成果に繋げていくために、Ptengineを活用していきたいです。