株式会社アイレップ
クリエイティブDiv.
株式会社アイレップは、WebサイトやLPの制作・改善業務の基盤となるツールとして、2016年からPtengineを利用しています。
「Web広告の進化と同時に、その遷移先であるWebサイト・Webページもデータに基づいた改善が積極的に行われるべき」と話すのは、同社で制作のディレクションを担当する高田様。今回は、数あるツールの中でなぜPtengineを利用するのか、また、サイト改善を実行するにあたってロードマップを引いて優先度の高い施策から行うことの重要性や、データを解釈する力を高めるための取り組みについて、お話しいただきました。
『Ptengineは、WebサイトやWebページを制作する際に「入れておくべきツール」だと考えています。これにはしっかりと理由があって、導入しておかなければ後で後悔するのが分かっているからです。
Webサイト・Webページの良し悪しを客観的に正しく判断するためには、そのためのデータが必要になります。データがなければ主観的で曖昧な議論しかできません。これではPDCAが回らなくなってしまいます。
そういった意味で、Ptengineは弊社においてWeb制作のインフラと言っても過言ではありません。(高田様)』
Web広告の技術が進歩し様々な媒体が存在する今、広告テキストやバナーの良し悪しをデータに基づいて評価することはより一般的になっています。それと同様に、「WebサイトやLPに関しても、データなしで語ることはできなくなってきている」と高田様は言います。
WebサイトやLPの効果を評価する際に「セッション数」や「直帰率」などを基準にすることは一般的ですが、ページ内のどのコンテンツが成果に繋がっているのかまで分析できている企業は多くないのが現状です。高田様は、テクノロジーの進化によりデータが取得できるようになっている以上、「Webページの改善もデータに基づいて積極的に行われるべき」だと言います。
しかしながら、ツールを導入していざ改善やLPOを行おうとしても、大量の「やりたいこと」を抱えてしまうのが難しいところでもあります。そうした課題に対して、高田様は「まずは重要な施策から順に実施するのが取り組みを成功させる重要なポイント」と話します。
「まず最初にラフな改善をスピーディに行い、潜在的なサイトのポテンシャルを引き上げることで読了率やCVR向上などの成果に繋げた後、細かいABテストを繰り返し、緻密にブラッシュアップするフェーズを踏む」。このように2つのフェーズに分けて考えることで、各フェーズにおいて明確な目的意識を持って改善を実行していくことができると言います。
アイレップでは、クライアント企業に対して2〜3ヶ月ほどの期間でロードマップを作成し、いつまでにどのくらいの改善を目指すのかを明示することからスタートすると言います。施策を実行した後は、Ptengineのデータを見ながら「予想どおりに成果が出た施策」「予想外に成果が出た施策」「成果が出なかった施策」を分類し、それぞれを振り返る中でネクストアクションを決めロードマップの軌道修正を繰り返していくそうです。
Web制作において、Webデザインやコーディングは外部のリソースを利用して行うケースも少なくありません。アイレップのディレクターチームも同様で、コーディングを伴うサイト編集・改善は、通常は外部のパートナー企業を通じて実行しています。
しかし外部のリソースを活用する場合、その進行管理が煩雑になったり、軽微な変更でも時間と金銭コストがかかったりしてしまいます。また、上述の「細かいABテストを繰り返し、緻密にブラッシュアップするフェーズ」においては、分析結果を基にした機動的なPDCAサイクルを実行していく必要があり、工程の中で外部との連携が発生することは望ましくありません。
そうした時にPtnegine Experienceを利用してサイト編集・改善を自社で完結できる点がPtengineの利点だと言います。
『例えば、2つのデザイン案があってどちらか決めかねる場合は、Ptengine ExperienceのABテスト機能を利用してテストを実施します。
外注先の企業様と連携してテストを行うと、テストの実施・管理が煩雑になってしまいがちですが、Ptengineを利用すれば弊社だけで完結するのでとてもシンプルにテストを実行できるのが助かります。(高田様)』
日々の業務の基盤となるツールとしてPtengineを利用するアイレップでも、取得したデータをどう解釈するかは、日々の知見の積み重ねによりアップデートしています。高田様の場合、現在の職務に就いた当時に知った「理想的なヒートマップの状態」が意外で印象に残っていると話します。
アテンションヒートマップでは、ユーザーの滞在時間が長いほど赤色に、短いほど青色になる仕組みになっていますが、「滞在時間が長いから良い・短いから悪い」というように単純に判断できないこともあります。そのため、Ptengineではポジティブな要因とネガティブな要因の両面からデータを解釈することをお勧めしています。
高田様は、「ヒートマップを見ればユーザー行動を直感的に把握することはできるが、それをどう解釈するかは分析者次第。アイレップでは、常に2名以上でPtengineのデータを確認するようにしている」と言います。
高田様の言うように、Ptengineは導入することがゴールではなく、導入後に取得したデータをいかに活用できるかが成果に大きく関わってきます。そのため、アイレップのディレクターチームでは、所属する30名〜40名のディレクターの方々全員で、制作・運用の現場で発見したインサイトや活用事例を共有するために月に1度の勉強会を開催しています。
「商材・業界など、カテゴリ別にPowerPoint形式にまとめて、サイト改善・LPOの事例を蓄積し、過去に共有された事例はアーカイブから誰でも検索・閲覧できる」ような仕組みを構築。そうすることで、「Ptengineでデータを見てみよう」「その改善、Ptengineでの成果はどうだった?」など、Ptengineをハブにしたコミュニケーションが成立するようになったことが大きなメリットだと言います。
また、社内だけでなく、アイレップが対峙するクライアント企業との間でも、「Ptengineを使ってデータの取得・分析を行います」と予め取り決めておくことで、検証に必要なデータの取得がスムーズにできるようになったと言います。
高田様は、「一番難しいのは、ケース・バイ・ケースでデータどう解釈していくか」だとし、今後もPtengineのサポートや社内での知見を活用していきながらノウハウを貯めていきたいと話します。