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ECのCVRが上がらない?5つの改善ポイントを徹底チェック【前編】

2025年05月30日

この記事は約5分で読めます。

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EC担当者によくある悩みの一つが「商品には自信があるし、広告の精度も高い。安定したトラフィックもあるのに、なぜかCVR(コンバージョン率)が低い」とのことです。その原因はどこにあるのでしょうか?

実は、多くのECブランドが無意識のうちに犯している「ちょっとしたミス」が、CVRを大きく下げてしまっていることがあります。たとえば、説得力に欠ける商品説明や曖昧なCTA(Call to Action)などの小さな落とし穴は知らず知らずのうちにお客様を遠ざけているかもしれません。

でも、これらのミスはちょっとした工夫で改善できます。本記事では、ECサイトでよく見られる「CVRを下げてしまう10の原因」を取り上げ、それぞれの改善策をご紹介します。「もっと多くの訪問されたお客様を購入につなげたい」とお考えの方にとって、きっと参考にしていただけるチェックリストです。

※10の原因を2回に分けてご紹介し、前編ではまず最初の5つの原因を解説します。

原因①:サイトの読み込み速度が遅い

ページの表示に時間がかかると、お客様はすぐに離脱してしまいます。特にECサイトでは1秒の遅延が命取りです。コンテンツデリバリーネットワーク(CDN)サービスの世界的リーダーであるアカマイ・テクノロジーズによると、ページの読み込みがわずか0.1秒遅れるだけでコンバージョン率が最大7%低下し、特にモバイル端末ではその影響がさらに大きくなります。

潜在的なリスク

  • お客様が「今すぐ見たい・今すぐ買いたい」と思ったタイミングで、すぐに対応できないリスク
  • ページ表示が遅いことで、お客様が離脱してしまうリスク
  • 広告で流入を増やしていても、最終的な購買に至らないと広告費が無駄になるリスク

改善策

  • Google PageSpeed InsightsやGTmetrix などのツールを活用し、読み込み速度を計測・分析すること
  • TinyPNG などを使い、画像を圧縮しつつ画質を維持すること
  • ブラウザキャッシュや遅延読み込み(Lazy Load)を導入し、ページ全体のパフォーマンスを改善すること
  • デバイスに適した軽量なテーマを使用し、不要なプラグインを削減すること

補足アドバイス

PCだけでなく、モバイル端末での読み込み速度もテストしましょう。モバイル端末を利用するお客様は特に表示が遅いと離脱してしまう傾向が高いため、対策は必須です。また、CVR改善策の中でも特に効果が出やすい分野の一つのため、取り組んで損はありません。

原因②:商品説明がわかりにくい

どんなに良い商品でも、説明文がお客様の心に響かなければ売れにくくなります。実は、ECサイト運営に当たって最も見落とされがちなポイントのひとつが「商品説明の書き方」なのです。

潜在的なリスク

  • 抽象的で曖昧なキャッチコピーでは、お客様の信頼や興味を得られないリスク
  • 機能をただ並べるだけでは、商品の本当の価値が伝わらないリスク
  • 実際に商品が生活にもたらす変化を想像できないと、購入につながらないリスク

改善策:

  • 機能だけでなく、商品を使うことで得られるメリットを伝えること
  • 短い文や箇条書きを使い、自然で分かりやすい表現にすること
  • ブランドのイメージに合わせ、感情やストーリー性のある表現を適度に取り入れること
  • サイズ・使用シーン・お手入れ方法など、よくある質問への答え(Q&A)を説明文に含めること

補足アドバイス

お客様のレビューを参考にすることも非常に効果的です。実際の声を商品説明に取れ入れることで、内容にリアリティと信頼感が生まれます。商品説明の改善は、信頼性と分かりやすさを高める最も直接的な方法の一つです。

原因③:お客様がブランドに対して十分な信頼を持てていない

どんなにサイトのデザインが魅力的でも、「この会社で買って大丈夫かな?」という不安があると、お客様は購入まで進んでくれません。 実は、この信頼不足がCVR低下の盲点になっていることが多いのです。

潜在的なリスク:

  • 初めてサイトを訪問するお客様はブランドに対する認知や信頼が不十分なリスク
  • 口コミや保証に関する情報がない場合、購入をためらうリスク(特に高額商品の場合)
  • お客様が「詐欺では?」「配送が遅いのでは?」「対応が悪いのでは?」といった不安を抱えてしまうリスク

改善策

  • 商品ページにはお客様レビューや評価スコアをわかりやすく掲載すること
  • 購入手続きページに決済方法のロゴやセキュリティマーク(SSL対応など)を表示すること
  • 返品・交換ポリシーは明確に記載し、お客様が見つけやすい場所に配置すること
  • 送料無料・保証・満足度保証などの特典がある場合は、目立つ形でお客様に伝える
  • 実際の購入者の投稿写真やメディア掲載実績など、「第三者による評価」を掲載すること

改善事例

画像引用元:VIVAIA

アメリカ発レディースシューズブランド「VIVAIA」では、チェックアウト画面に「送料無料」や「返品保証」、決済方法のロゴなどを見やすく配置し、お客様が安心して購入できるよう工夫しています。

補足アドバイス

「カートに入れる」ボタンの近くにも「決済ロゴや返品ポリシー」などの安心感を与える情報を表示することで、特に初めて訪問するお客様の不安を軽減できるでしょう。信頼はコンバージョンの土台となるため、できるだけ早いタイミングで、かつお客様の目に入りやす場所に配置することが重要です。

原因④:CTA(行動喚起)がわかりにくい

訪問するお客様が「次に何をすればいいのか」がはっきりわからなければ、何の行動も起こさずに離脱してしまう可能性が高いです。曖昧だったり、魅力に欠けるCTAはECサイトでよく見られる課題ですが、改善による効果が出やすいポイントでもあります。

潜在的なリスク:

  • ページに溶け込みすぎたCTAは、お客様の目に留まりにくくなるリスク
  • 「送信」や「こちらをクリック」などの汎用的な表現では、緊急性や行動意欲を喚起しづらいリスク
  • ひとつのページにボタンが多すぎると、お客様が迷い、意思決定に疲れてしまうリスク

改善策:

  • 「今すぐカートに入れる」「期間限定20%オフ」など、行動を促す表現を使用すること
  • ボタンは目立つ色・適切なサイズ・十分な余白で視認性を高めること
  • ページ内のCTA数を絞り、ひとつの明確な目的に集中のさせること
  • CTAをファーストビュー、商品画像の近く、もしくは説明文の最後など、お客様の動線に沿った位置に配置すること

補足アドバイス:

CTAの文言やデザインは少しだけの違いで大きな差を生むことがあるため、A/Bテストで比較検証するのが効果的です。お客様を次のステップへ自然に導くことで、コンバージョン率の向上が期待できます。

原因⑤:モバイル端末での操作性が悪い

ECサイトへのアクセスの50%以上がモバイル経由であるにもかかわらず、モバイル対応を後回しにしているブランドが少なくありません。これは、コンバージョン率最適化の観点から見ると大きな機会損失となります。

潜在的なリスク:

  • デスクトップでは見栄えが良くても、モバイル端末では操作がしづらくなってしまうリスク
  • フォントが小さい、ボタンの間隔が狭い、商品画像が見にくいなど、UX(ユーザーエクスペリエンス)を損なうリスク
  • モバイルでの購入手続きが複雑でだと、離脱やカート落ちにつながるリスク

改善策:

  • お客様の利用デバイスに応じて最適化を行うこと
  • 固定メニューやタップしやすいボタンを配置し、直感的な操作を実現すること
  • 商品画像は画質を保ちながら、読み込み速度を最適化すること
  • 特に購入フローにおいては、複数のデバイスでテストを行い、お客様がつまずくポイントを事前に洗い出して解消すること

改善事例:

画像引用元:「Ptengine」

Ptengineといったお客様の行動を可視化・分析するツールを導入すれば、上図のようにサイト上でお客様がどこで離脱しやすいかがひと目でわかるようになります。これによって「重要なCTAが十分に見られていない」「ファーストビューでの離脱が多い」といった課題を見つけ出し、データをもとに改善策を検討しやすくなります。

補足アドバイス:

モバイル端末でのUXの最適化は必須事項です。どれほど魅力的で競争力のある商品でも、モバイル端末でスムーズに表示・操作できなければ、それだけで販売チャンスを逃すことになりかねません。

終わりに

前編はコンバージョン率を下げてしまう10の原因のうち、前半の5つをご紹介しました。これらの要因はどれも見落とされがちですが、少しの改善で大きな成果につながる可能性があります。後編は残りの5つの原因を取り上げますので、ぜひ続きもご覧ください。

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