blog»A/Bテストをはじめる方向けの攻略ガイド
2022年08月01日
この記事は約7分で読めます。
今のデジタル時代では、根拠がなく感覚的にWebサイト改善では継続的なパフォーマンス改善は見込めません。A/Bテストはより科学的な方法で、実際のデータ結果をもとに、どちらの表現がビジネス目標により適しているかを段階的に見つけ出すことが可能です。 A/BテストはWebサイト上で行う実験で、デザインやコンテンツが異なる2つ以上のバージョンで比較し統計的に分析することでどちらのパフォーマンスが良いか、またビジネス目標に適しているかが判断できます。
ページ内の異なるバージョンのコンテンツがユーザーの行動にどのような影響を与えるかを分析し、どのようなコンテンツやフォーマットが、Webサイトのビジネス目標を達成する可能性が高いかを理解することで、ユーザーのことをより深く理解することができます。すべての結果は、主観的な判断や推測ではなく、信頼できるデータに基づきます。
A/Bテストを利用して、すぐにページ全体のデザインを変更するのではなく、少しずつ変更を加えることで、最小限の修正でデータに基づいた結論を得ることができます。またそれによって、ユーザーにとって最も効果のあるものに投資を集中し、テストから学んだことに基づいて最大限のアウトプットを得ることで、ROIを向上させることができます。
各広告ソースのトラフィックから着手し、トラフィックが多い・直帰率が高い・コンバージョン率が低いソースに特定し、関連のメインランディングページを確認します。またヒートマップにて、ランディングページがどのように見られ、クリックされ、異なるコンテンツの関心度などの詳細を確認することができます。
ヒートマップを用いて次のような状況に注目しましょう
その他自社のビジネス特有の異常なクリックが見つかるかもしれません。
サイト内でコンバージョンを妨げる要因が特定できたら、仮説を立てテスト企画立案します。
例:
注力商品の特集ページに誘導するエントリーバナーのクリック数が少ないと気づき、 バナーの情報が魅力的でないと推測。また、特集ページのヒートマップから、この商品の紹介情報で注目される特徴がわかったので、この特徴を直接バナーに反映させるともっとクリックされるのではないかと考え、新しいバナーにその特徴が伝わるデザインにし、その特徴を押し出した新たなコンテンツを用意することから着手することにします。
仮説が立てられたら、A/Bテストの実施に入ります。実施にあたっては、以下の点に注意する必要があります。
1)優先順位付け
複数の仮説が提案されている場合、低コストで高い効果を得られる可能性が高いテストが優先されます。インパクトの強さを判断する際には、ページ内の主要要素を変更するのか、それともほとんど気づかれていない小さなものを変更するのか、目的に対してどの程度のインパクトを与える可能性があるのかを再確認する必要があります。
2)テストゴールの設定
ゴールは最終ゴールと直接ゴールに分けられることが多いです。 前述の例では、バナーテストの最終ゴールは間違いなく該当商品を購入してもらうことだが、バナーのクリックから最終購入までは、商品説明のわかりやすさや決済のスムーズさなど、他の多くの要因に影響されることが多いので、バナーのクリック数もゴールとしてを設定するよう推奨しています。貴社のビジネス状況に基づいて、最終的により正確な結果が得られるよう、是非キーゴールを一つ定義してください。
3) テスト対象者の決定
見つけた問題や立てた仮説が、特定の流入元からのユーザー行動をベースにしているのであれば、テスト対象者もそのユーザーグループに設定し、テストすべきです。
4) 十分な時間をかけてテストすること。
ウェブサイトのトラフィックは、週末や平日など時間帯に左右されることがあります。時期的な要因で結論が出されることを防ぐため、少なくとも7日間はテストを行うことをお勧めしておりますが、曜日などがトラフィックに影響しない場合は、設定期間をより短くしても問題ありません。
A/Bテストの勝ちパターンのみに注目するのでなく、結果を分析することは必要不可欠です。勝ちパターンと負けパターン、それぞれの優劣を素早く確認し、早めに勝ちパターンに多くのトラフィックを割り当てることでリニューアルリスクを半分以下に減らすことができます。
しかし、すべてのテストが決定的な結果を出すわけではないので、しばらくテストを実施しても勝敗が決まらない場合は、より深い分析が必要です。
1)ユーザーセグメント化にすることで、より深い要因を見ることができます。 流入元や訪問者の属性から異なるユーザーグループでのA/Bテストの結果を見ると、予想外の結論を導くことも多いのです。 例えば、パターンAで失敗しても、あるソースではパターンAのコンバージョン率が高い場合、そのソースから来るユーザーに対してパターンAでカスタマイズ体験を実施することは適切です。
2)ヒートマップを使って、ユーザーが異なるバージョンでどのようにインタラクションしているかを見ることで、例えば、あるバージョンのCTAではユーザーはもっとクリックしないが、もっと深く読んでいるなど、より深いインサイトを見つけることも可能です。
3)データから明確な洞察・結論が得られなかった場合でも、パターンの追加や削除などで、さまざまなアイデアを模索し続け、再びテストを開始することも選択肢の1つです。
様々なコンテンツ・デザインを試し、どのようなコンテンツがユーザーの興味を引き、またコンバージョンにつながりやすいかを確認します。 Webサイト内のユーザー行動データやヒートマップを利用し、関心が集まっているコンテンツタイプを確認することで、クリエイティブな改善のためのヒントがもらえます。
ヒートマップでLPの最初の見る箇所、ファーストビューでの離脱率が非常に高い場合、ファーストビューがユーザーの興味を引き出し、ページを見続けるように導くことに成功していないことになります。 この場合、ブランド信頼性の高さ、製品の主な特徴、最新のキャンペーン情報などを更にアピールすることができます。またバナーのキャッチコピーを変更したり、ファーストビューの画像を入れ替えたりすることもおすすめです。
ユーザーがあなたのサービスや商品に興味を持ち、より詳しい紹介ページを見に行ったとき、そのコンテンツがさらにユーザーを納得させ、コンバージョンにつなげることができるようにする必要があります。 詳細ページの中に、関心度の低い部分やスクロール率が急に下がる部分に注目して、その部分のコンテンツを別な価値訴求に調整するようなテストを行ったり、あるいは該当部分のコンテンツを直接削除してみたりすることも可能です。
社会的信頼は、業界の専門家や顧客からの推奨や口コミ、メディアにおける注目度、アワードやランキング、賞状などの形で示すことができます。 A/Bテストは、ソーシャルプルーフを追加することが良いアイデアかどうか、追加すべくソーシャルプルーフの種類、配置場所や形式の決定や、コンバージョンに最も有益である選択を確認するのに役立ちます。
リードフォームページに入ってからのコンバージョン率が低い場合、フォームのタイトルやCTA、周辺情報をテストしてみることで、フォーム送信率を改善することができます。
サイトの平均訪問ページ数や特定のページのクリック数が少ない場合、ユーザーとサイトのインタラクションがほとんどないことを意味します。 この時点で、ユーザーを誘導するためのコンテンツを追加したり、トリガーにして、サイト内をもっと回遊させることができます。 Webサイト内の行動データやヒートマップを利用して、ユーザーがどのような情報に興味を持ちやすいかを発見することで、クリエイティブなアイディアを得ることができます。
ページに入った直後に右下にポップアップ表示することで、ユーザーを興味を持ちそうな分野に誘導し、サイト内容の理解度を高めることで、コンバージョン確率を向上させることができます。 同時に、同時にユーザー属性ごとにコンテンツへのクリック状況を確認することで、よりユーザーの興味を引く情報を発見することができます。
ウェブサイトに入った後の数ページ内にキャンペーン、人気コンテンツ、特集ページやサービス詳細ページへのリンクバナーを配置するブロックを追加しましょう。エンゲージメント向上に役立ちます。
ビジネスシーンやデータインサイトから得た仮説に基づき、より多くのテストを試すことができます。
CTAはユーザーとのインタラクションが発生する場所であり、コンバージョン率に直接影響を与えるものです。 CTAのコンテンツやスタイルを変えてテストしたり、ページでの場所を調整してテストすることができます。
どのような表紙画像にすればより注目を集められるか、シーンに合った画像なのか、商品の良さが伝わる画像なのか、などに迷った時にA/Bテストで検証してみましょう。
長い文章を読んで、細かい情報を得たいというユーザーがいて、自分に最も関連性のあるものだけを読みたいというユーザーも多いでしょう。 同じコンテンツ内容を長いパターンと短いパターンでテストすることで、どちらのパターンがより興味を引き出しているかを分析することができます。