blog»毎日1,800件稼動するA/Bテストから学んだクリエイターのための効果的な「コンセプト検証」方法
Takashi Ando
2024年11月28日
この記事は約5分で読めます。
こんにちは!事業開発を日々推進しているAndyです。
Ptmindの事業開発では、企業様との深い取り組みをベースにした事業支援およびPtengineの利用者ネットワークの拡大などを行っています。
今回はその中で、今まで稼働してきたさまざまなABテストの中でもドノフェーズでも適用しやすい手法と実際のデータをお伝えしてお役に立てればと思います。
日頃、弊社のサービスであるPtengineでは、常時総計1,800件以上のA/Bテストが配信されています。
今日は、それらを駆使して生み出された「シンプルにできて効果抜群のコンセプト検証の方法」をご紹介したいと思います。
まずは、実際に0→1で日本市場における運営を弊社で行っているVIVAIAというブランドの成長のストーリーをご覧ください。
このブランドの成長を支えた手法が今回紹介する独自のコンセプト手法です。
マーケターやデザイナーが日々お悩みのポイント。それは…
「これ、本当にお客様に当たるのかなー、刺さるのかなー」がわからない点です。
そのために日々苦心して皆さんが作るもの、それがLP(ランディングページ)です。ところが、多くのケースでは、作ること自体が目的化していて、作ったあとはやっぱりダメだったのでチューニングだ!となることがしばしば。
しかしそれでは最初に作る工程を考えると、コスト的にももったいないと感じますよね。
であれば、逆に「本格的にLPを作る前からチューニングしておけないのだろうか?」
この発想から生まれたのが今回ご紹介する「コンセプトLP」という手法です。
何はともあれ、実際の例があった方がわかりやすいので、早速こちらを考えてみてください。
ある電動歯ブラシの商品について、デザイナーが以下2つのコンセプトで、どちらが良いか迷っていたとします。皆さんならどのように検証しますか?
①充電時間がとてもよく、長く持つこと
②磨く技術が優れていること
通常であれば、どちらか一方のコンセプトを主張したLPを作成して、後からもう一つのコンセプトをテストしたりするかもしれません。もしくは、お金に余裕があれば両方作って同時に試すかもしれません。
そこで登場するのがコンセプトLPによる検証です。やることは一つ。「今の商品ページにひとつバナーなどを追加する」。以上です。
本当にこれだけで良いのか?と思うかもしれませんが、消費者は最初の印象でその商品への理解と興味を進めるので、これで十分なんです。広告バナーの延長だと考えるとわかりやすいと思います。
そして実際にA/Bテストの結果データを見てみると…
結果は歴然です。たかがバナー1つ、されどバナー1つ。特に、興味が上がった結果、クリック数が75%も上昇していることが象徴的です。
次のデータは、ページ中段のコンテンツの表示率です。(下図参照)
ブラッシング性能は、ページの中段でもコンテンツが充電長持ちのコンセプトに比べると10%以上表示率が高いことがわかります。
最初のバナーによってお客様の興味が促進され、より中間部の詳細情報を見にいくようになっていることがわかります。
以下は、数日間のクリック数のデータです。バナーで商品のコンセプトを理解した結果、ギャラリーの写真へのクリック数が上がっていることがわかると思います。
特に、ブラッシング性能のキャッチコピーを出したバージョンは、Gifの動画で性能がわかるもののクリック数が上がっていることがわかります。
では、次も見てみましょう。
オーブンはどうでしょうか?高額商材で買い替えが発生しにくいがゆえに、正しいコンセプトが確立できれば売上の大きな向上が期待できる商材です。
今度は、
①時短でヘルシー
②1台6役
つまりは「手間要らず」のコンセプトと「用途が豊富」のコンセプトですね。
下記は実際に検証に使ったコンセプトバナーです。
さっそく結果を見てみましょう。
こちらも結果は明らかです。
用途が豊富をコンセプトにした「1台6役」が勝っています。クリック数の上昇率も30%近く上がったため、商品への関心が高くなったことがわかりました。
冒頭でご紹介したVIVAIAについても、私たちは常にコンセプトバナーを使った検証をしています。
このようなコンセプト検証手法が有効なケースは、以下の3つです。
(特に今回のようなECサイトなどで取り扱う商品の場合)
①人気定番商品
②これからトレンドになりそうな商品
③キャッチコピーなどがなかなか決まらない商品
全ての商品にバナーを適用すると、商品数の多いサイトではどうしても無理があります。そこで、検証できた時の効果がより高くなるジャンル3つに着目してテストを行っています。
VIVAIAはこの手法を利用してまずは、どのコンセプトがその商品に相応しいかを確定させていきます。
その後は、証明されたコンセプトの文言を基準して広告のバリエーションを作成していきます。
証明されたコンセプトをベースに、広告バナーを大量に作ることができれば、パフォーマンスの向上が加速していきます。
そして、ROASなどが合ってきたら、本格的な専用LPを作ります。
この頃には、すでに成功しているキャッチコピーなどが基準になっているので、LPを作るコストリスクはかなり低くなります。
「売れるかどうかわからないLP」ではなく、ある意味では「売れたLP」が最初から作れる状態になるということです。
コンセプトLPによる検証は今回のようなECサイトだけでなく、さまざまな商材のマーケティングで活用することが可能です。
特にメリットにおいては次の3つにまとめられます。
①すでにトラフィックのある自社サイト上で検証ができるのでコスト低い
②高額なLPを作成に踏み切る前に検証サイクルが回せる
③トレンドや傾向を継続的に察知することができる
これから新規に集客を考えるのではなく、まず自分のサイト上にすでに集まっているお客様で検証サイクルが回せるため顧客理解と商品の強みの認識をLP作成前に精度として上げていくことが可能です。
また、現在の価値が時期や流行などによって変わる可能性が十分にあります(例であげているアパレルのVIVAIAなどが典型です)。
去年は良かったが今年はどうかわからないような場合、今まで当たっていた広告のパフォーマンスが原因不明で落ちてきた場合など、消費者の動向を探って修正していきたいケースなどでも有効です。
下はそれらを踏まえて実際に作成されたLPです。ぜひ、日頃のサービスの運営の参考になれば幸いです。
最後に今回紹介したいような手法であれば。Ptengineで無料からすぐにトライすることができますので、参考になれば登録して利用してみてください。
こちらから登録ができます。
また、14日間、3000万PVまで利用できる無料のトライアルもご提供しているため、大規模サイトでもお試しいただくことが可能です。
今回、コンセプトバナーの実例を紹介させていただいた、ライフスタイルソリューションブランドのEPEIOS様では、電動歯ブラシ、オーブン、ケトルなどの家電を中心とした、オシャレで機能性の高い生活用品が取り揃えられています。
ご興味がある方は下記よりご確認ください😀