blog»活用法&レシピ»分析の「頭打ち」を突破!Ptengine β版ヒートマップの新指標と活用法

2025年12月02日
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この記事は、2025年11月に行ったウェビナーにて紹介した内容をまとめたものです。
Ptengineの分析機能は従来のヒートマップからさらに進化しており、今後もAIの力によってさらに強力な支援ができるようになる予定です。
このウェビナー及び記事では、Ptengineのような機械を扱う側の準備とも言える内容となっており、ページ改善の視点をアップデートする機会にしてもらえますと幸いです。
ウェブサイトの改善活動において、私たちが最終的に目指すのは、単発的な成果ではなく、そこから得られたデータに基づき施策、分析、検証を連続的に繰り返すことです。この連続的な活動によって、大きな成果や、再現可能なノウハウ(知的資産)を生み出すことが可能になります。
しかし、この連続的な分析を続けることは、現場では非常に難しいのが現実です。
例えば、従来のヒートマップで「赤い(注目されている)コンテンツ」を特定し、それをページ上部に移動させてコンバージョン率(CVR)が向上したというケースはよくあります。これは改善の初動としては有効ですが、その改善が「なぜうまくいったのか」という本質的な理由(Why)まで深く考え、言語化できていないと、次の施策のアイデアが尽き、改善活動がすぐに頭打ちになってしまうのです。

Ptengine β版ヒートマップは、この「頭打ち」の状態を突破し、データに基づいた深いユーザー理解を可能にするために開発されました。
Ptengineでは、初心者でも気軽に使えるヒートマップとしてご評価いただいています。
今回β版ヒートマップの最も重要な変更点は、従来の「感覚的・視覚的」な分析だけでなく、コンテンツの役割を数値(定量的)で評価できるようになったこと です。
代理店の方や大手企業の運用ニーズを踏まえて設計した仕様のため、一部データの定義が従来版とは異なる箇所もあります

従来のヒートマップがページ全体のユーザー行動を大まかに捉えるのに対し、β版では、ウェブサイトのコンテンツを「ブロック」単位、またはさらに粒度の小さい「要素」単位で区切り、そのコンテンツごと、要素ごとのパフォーマンス(貢献度)を数値で評価できるように設計されています。

Ptengine β版ヒートマップは、Ptengineのヒートマップ画面を開き、右上のボタンから「β版ヒートマップ」を選択することで切り替えられます。
ブロックや要素の設定は、画面右上の歯車マークから行います。

β版ヒートマップでは、より深くユーザーのインサイトを理解するために、以下の4つの新しい重要な指標が追加されました。
| 新しい指標 | 定義と計測内容 | 活用できるインサイト | 補足 |
|---|---|---|---|
| ファーストビュー離脱率 | ページに到達したユーザーのうち、クリックやスクロールといったアクションをせずにセッションが切れた割合。 | LPなどで、広告とのミスマッチや、ファーストビューの説得力不足を特定する。 | 訪問ベースの指標です。母数は対象ページの訪問数です。 |
| ブロック平均滞在時間 | ユーザーがそのブロック上でスクロールを止め、静止していた平均秒数。 | ユーザーがどのコンテンツに強い関心やニーズを持っているか(関心の強さ)を定量的に把握する。 | |
| ブロック離脱率 | そのブロックが表示された(インプレッション)セッションのうち、その場所でセッションが終了した(離脱した)割合。 | ユーザーが関心や情報収集を諦めたポイント(関心の終了)を特定する。 | PVベースの指標です。母数が対象ページのPVであり、インプレッションは1PVにつき1以上カウントされません。 |
| CV貢献率 | そのブロック内の要素をクリックしたユーザーのうち、最終的なコンバージョン(CV)に至った割合。 | ウェブサイトやECサイトにおいて、どのコンテンツが売上(CV)に直結しているかを可視化する。 |
実際の操作画面上で、下記の仕様で確認できます。

引き続き、β版ヒートマップを最大限に活用し、施策を連続的に回すための戦略的なステップを解説します。
最終ゴール(購入完了など)だけでなく、ユーザーが辿る中間プロセス(例:CTAクリック率、フォーム到達率)もコンバージョンとして設定し、計測することが重要です。
主要指標画面では、このページを訪問したユーザーが、設定した中間コンバージョン(例:カートイン)や最終ゴール(購入完了)にどれだけ到達したかというパフォーマンスを見ることができます。このファネルを観察することで、問題のボトルネックがどこにあるのかを明確に特定します。
特にLPの場合、ファーストビュー離脱率が高い(50〜70%など)場合は、広告とLPのミスマッチや、ファーストビューでの訴求力不足がボトルネックである可能性が高いと判断し、まずここから改善に取り掛かるべきです。

このサンプルでは、FVは通過したものの、製品の説得力不足やニーズのミスマッチによってカートインが課題となっていることが明らかです。
ページ内容の改修がメインとなりますが、訪問直前の訴求とページ内容の整合性も確認し調整する必要があります。
問題箇所(例:カートイン率が低い)を特定したら、次に「なぜそれが起こっているのか」というインサイトを深掘りするために「比較機能」を利用します。
セグメント機能(新規訪問、再訪問、広告クリエイティブ、A/Bテストパターンなど)を使い、異なるユーザー間でコンテンツのブロック平均滞在時間や離脱率を比較します。
例えば、新規ユーザーと再訪問ユーザーの比較において、再訪問ユーザーは「機能面」を打ち出しているブロックを長く見ているが、新規ユーザーはどのような場面でするのか「利用シーン」を注目しており、顕著な差が確認でたとします。
この定量的な差分から、「明確にイメージできる利用シーン」→「差別化する機能面のアピール」のストーリー構成によるコンバージョン最大化仮説が生まれ、単なるレイアウト変更ではない、次の本質的な施策(例:新規向けコンテンツの強化、クリエイティブでの訴求変更)を検討できるようになります。

β版ヒートマップの指標は、ウェブサイト内の様々な要素の最適化にも役立ちます。

Ptengineは、β版ヒートマップで培ったブロック分析の概念をベースとして、AIを搭載したAIヒートマップへと進化を続ける予定です。
AIヒートマップは、ユーザーのセグメント情報やページパフォーマンスの情報も加味した上で、AIが自動で問題箇所を評価し、具体的な改善提案を行います。
現在、AIヒートマップは先行利用申請を受け付けていますので、ご興味があればぜひご登録ください。

Ptengine β版ヒートマップは、Webサイト改善を単なる「表面的な修正」から、“再現性のあるユーザー理解に基づく資産化” へと進化させるための重要な一歩になります。
新しく追加された定量指標やセグメント比較機能を活用し、施策のアイデアが尽きてしまう “頭打ち状態” をぜひ突破してください。
機能の使い方や新指標の定義について不明点がございましたら、Ptengine 製品内のチャットサポートより、いつでもお気軽にお問い合わせいただけます。
まだPtengineアカウントをお持ちでない方は、まずは無料登録からどうぞ。
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データに基づくヒートマップ分析から A/Bテストによる改善実行まで、ぜひ体験してみてください!
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