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ランディングページ作成と運用に悩むあなたへの処方箋

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Takashi Ando

アルコール二段 グロースチーム

2020年10月26日

この記事は約10分で読めます。

 私たちのサービスを利用する多くの方達がランディングページを運用しています。ランディングページ(以下LPと呼ぶ)はたどり着いたユーザの次の行動を左右し、購買やリード獲得など多様な目的に影響を持たせる効果的な手法のため、多くの企業のWebマーケティング施策として確固たる地位を築いていることは言うまでもありません。 

ただし、ページを構築する前と、構築した後の改善にかかるコストなど現実的な問題があり、運用改善を手放しにしている企業はたくさんあるはずです。ここでは、そのような課題を抱えている方々にもう一度自社のLP運用を見直すために必要なトピックを提供していきます。 

成果を出すランディンページ作成に必要な4つのポイント 

 成果の出る効果的なLPの構築と運用をしていくために、「科学的アプローチ」、「素早い作成メソッド」、「高い説得力」、「効果的なCTA」という4つのポイントについてそれぞれ押さえていく必要があります。 

まずはじめに、LP構築における科学的アプローチの手順と、その中で注意すべきポイントについて説明します。次に効果的なLPをより早く作成するために必要なメソッドについて説明します。時間のロスが発生している方にはぜひ読んでいただきたいです。3点目ではいかにLPの説得力を高めるかについて説明します。最後に関心が集まるより効果のあるCTAの作り方について説明します。 

1.LP構築の科学的アプローチ法 

「LPの構築サポート」を行うプロのコンサルティングチームが、「いかにその業種におけるベストなLPを作るか」についてまとめたところ、下記7つの手順を提示しています。

  1. オンラインリサーチ 
  2. エンドユーザーリサーチ 
  3. チーム全体のブレーンストーミングと強度の高い企画会議 
  4. 予想図の具体的なデザイン 
  5. 予想図のユーザー確認と改修 
  6. LPの開発・実装 
  7. 効果検証と改善 

上記プロセスの中で特に注意すべき点は2つあります。一つ目は2番のエンドユーザーリサーチで、もう一つは7番の効果検証と改善です。 

 エンドユーザーのリサーチの重要性については、LPの存在目的(コンバージョン率を上げるなど)を考えればわかると思いますが、ユーザの需要や行動パターンに合わせてコンテンツを構成していく必要があります。この手の調査方法はヒアリング、アンケート調査、ヒートマップ分析などが挙げられます。それぞれメリットとデメリットがありますが、会社の需要に合わせて実施すれば大丈夫です。 
 
手軽にできて多様化するユーザーニーズを把握するリサーチとして、ヒートマップはオススメです。特に広告運用と合わせることが多いランディングページでは各広告流入ごとにコンバージョンの有無と合わせてユーザーを調査することで、より精度の高い、それぞれのモチベーションを把握することができるようになります。 

2つ目の検証と改善に関してよくあるパターンは、 LP作成自体がゴールになってしまっており、一旦リリースしたら手放しにしてしまうことです。LPを作ること自体が目的ではありません。結果が良いか悪いかを問わずに必ず分析してください。分析を通じてユーザとの間のギャップに気付き、ギャップを埋めることにより最適化につながります。 

上記①から⑦までを守ることで専門性の高いLPが作れますが、コストも手間もかかると考え広告運用へ逃げたいwebマーケッターもたくさんいるでしょう。広告運用の最適化である程度の効果があることを否定しませんが、目標に対して結局頭打ちになる可能性が高く、運用当初から科学的プロセスに沿ってLPの構築と改善を広告と同時に着手することが必要です。 

2.LPの素早い作成メソッド 

LPの構成そのものには、大まかな規則があり、それをうまく利用すれば、ある程度時間の短縮ができます。 

 LPを構成する6大機能ブロック 

  1. トップ:エッセンスのアピール 
  2. 説明:サービスがどう優秀かを説明する 
  3. 証明:サービスが優秀であることの証拠 
  4. ブランド:ブランドの力を説明する 
  5. オーディエンス:プロダクトの対象者の範囲を説明する 
  6. CTA:コンバージョンを推し進める 
     

一般的にLPのブロックは上の6つにまとめられます。それぞれのブロックが違う情報を伝達する役割を担います。また、LPはユーザを説得する媒体として、下記5つのコンバージョンのコア要素を同時に備えていなければなりません。 

5大コンバージョン要素 

  1. 価値性 
  2. 信憑性 
  3. 適合性 
  4. 欠如性 
  5. 重要性 
     

もちろん、LPを構築する際に上記の6つのブロックと5つの要素が必ずしも使用するわけではありません。需要に合わせて選択し、自由に組み合わせることができます。どんな業種でもどのブランドでもLPを検証することが必要で、一ヶ月あるいは半年などの一定時間において、最善の案を洗練しながら、いかなる時もマーケットないしユーザー個人への鋭い洞察力を保っていく必要があります。 

3.高い説得力 

LPのコアバリューを伝える文章では、説得力があることが必要だと説明しました。ユーザの意思決定のハードルが低ければ低いほど説得されやすくなります。つまり、LPの説得力を高めればユーザをより獲得しやすくなるわけです。 

良いものを作れば売れるという時代は終わりました。自分の商品やプロダクトがいかにフィットできるかをアピールしなければなりません。ただ良い商品やプロダクトにネタがあっても、それをひたすら伝えたら逆効果を招きかねません。 

決め手は「観点」です。 

商品でもマーケットでも明確な観点があれば、説得する武器が手に入ります。では観点をどう伝えればユーザの心を掴めるのでしょうか?抑えるべきポイントは3つあります。 

1.取捨選択 
伝えたい内容が多ければ多いほど聞き手の耳に入りません。広告の設計やプレゼンテーションなど情報を伝達するような行為に似ていますが、簡単に言えば一枚のLPには一つの主要メッセージしかあってはなりません。最後まで貫いてかつ自分がその観点を信じることが大事です。 

 LPを通じて伝えたい内容の要点をまとめて見た人の興味を引きつけるように一つの文にします。また、重要なポイントが明白でポジディブでなければなりません。ユーザーに刺さるには邪魔な内容を全部削り、コアの部分のみ伝えれば十分です。 

2.表現形式 
ユーザにうまく刺さるには新しい視点を用意し、何か新しい情報を手に入れたかのようにと感じさせることが必要です。新しい視点とか情報がないと思う人もいるでしょうが、ポイントは実際にあるかではなく、あった感覚を提供することと、伝えた内容はユーザにとって新鮮感があれば大丈夫です。 

3.消費動機と重要性でサービスの位置付けを表現する 
消費動機にはポジティブ動機とネガティブ動機があります。買いたいものがあって買う場合はポジティブで、買いたくなけど買う必要がある場合はネガティブです。 

また、重要性とは、あるもの(消費行為を含む)が消費者にとって重要であるかどうかという意味です。例えば男性にとってはネクタイ、女性にとっては化粧品などが挙げられます。 

以上から下記のように4つの象限に分けることができます。 


それぞれの象限に位置するプロダクト、サービス別の対策をみてみましょう。 

 
 象限①:ここに属するものはポジテイブで重要性が高いものだから、LPの対策としては訪れたユーザに偽りや飾り気のない、ありのままの感情を表しているように感じさせることがポイントです。もっとも、車やマイホームなど、物質的欲求はもちろん精神的欲求も満たせるため、夢や想像を馳せるような宣伝は刺さります。そういう場合は遠慮せずに、プロダクトの凄さを存分にアピールし、購入後どのようなことが実現できるかを描けばいいのです。 

象限②:消費動機がポジティブだが、重要度が低い。フィットネス、健康サプリメントの他、上記挙げた、買ったら小さな幸せが得られるような商品のLPでは、ユーザとの感情の共鳴を強調することがポイントになります。サプリメントメーカーなら、「健康、体の栄養バランスを重要視する」理念を、LPを通じてユーザに表現してくだい。そうすることで同じ理念を持つ人を引き寄せることができます。 

象限③:消費動機がネガティブだが重要性が高い。このような商品を宣伝するLP自体はユーザに気に入って貰わなくても大丈夫です。なぜならユーザが現在困っていること、不安を感じていることにフィットできるかでコンバージョン率が変わっていくからです。生命保険のコンサルティングサービスを受けるときに、担当のコンサルタントの人柄より、自分の不安を解消してくれるかどうかで購買の意思決定をするのと同じです。したがって、対話の雰囲気を醸し出し、ヒアリングの姿勢を構えるような質問型のLPが良いかもしれません。ロマンチックを提供するのではなく、ユーザの悩みに直接アプローチしてください。 

象限④:消費動機がネガティブでかつ重要性が低い。ここに属する商品は大体日常消耗品など値段は高くないが常に必要とされるものです。このような商品を宣伝するLPに華やかさは必要ありません。同業他社と比べて安くて効果があると単刀直入で伝えれば良いのです。 

4.コンバージョン率を上げるためのCTAの構築 

広告の運用でも営業活動でも、ユーザの行動を促す引き金が最も注目される部分です。行動を促す引き金のことを「コールトゥアクション(CTA)」と呼びます。効果のあるCTAの共通点は何かというと、「相手の意表を突いて勝ちにいく」ということです。ただし、昨今のユーザのニーズの変化に追いつくように突けるかと悩む人が沢山いるでしょう。3つのポイントを押さえればほとんどは解決できます。 
 

小さなサービス 
典型的なやり方としては割引券、セールス価格、無料お試しなどがあげられます。得をする心理で満足させられれば、人は喜びます。ただし、わかってもらいたいのが、ユーザが欲しいのは本当の「得」ではなく、得をした感じです。やり方は大体3つにまとめられます。 

  1. 送る:ただで送るということ 
  2. 割引く:割引でコストを削減できるから、購買欲をかき立てると同時に、潜在客にも刺激を与えられます。人間は偽りだと分かっていても得をするかもと感じた時はそれを拒むことはほとんどできません。 
  3. 情報を提供する:ユーザに必要な情報を提供することです。「知りたい」という欲求を満足させてください。今の時代において価値のある情報を得るためのコストは高いです。自分たちが有する資料からしか得られない情報を提供できれば、正確性を保つ一方、ユーザにプロの印象を残しやすいです。まさに一石二鳥ということです。 

下は典型的な割引の例になります。楽天のコスメを定期的に宅配するRAXYのサービスでの表現方法です。このようなサービスではユーザー継続的に利用してもらいたいため、長期の契約に対して割引メリットなどを打ち出すのは効果的です。 
 

苦を避ける 
ユーザが悩むことを避けさせてあげることです。ただし、それだけでは不十分です。悩みを解消できそうな希望を与えなければなりません。人間の行動動機は大きく分けて2つあるります。楽を求めることと苦を避けることです。これは自然な心理現象のため、苦から解放できる情報は消費者にとってはとてもありがたいものです。「苦」と思う点が刺さると、脳の保護機能が動き出し、「現在の状況」に対してよく考えた決定ではなく、比較的安易な決定を下すからです。 

損失に対する嫌悪感を利用する 
人間は誰でも損失が嫌いです。楽を求め、苦を避ける以外、損失回避(loss aversion)も人間の特徴です。損失がもたらすマイナス効果が同じ量の収益がもたらすプラス効果の2〜2.5倍にもなると言われています。「利益が得られそう」の場合、低リスクを選択する傾向、「損失を破りそう」の場合、高リスクを選択する傾向を人間が持っています。 

この心理特徴は営業ポジションにとってありがたいでしょう。例えば、AとBの二つの勧誘プランを持っている場合、必ず100%魅了できるプランをすすめることです(50%の可能性で割引を得ることより100%の可能性で何かが得られることを消費者が選択しがちのためです)。 

実際の応用でも、先に「得」を投げ出し、いるかどうかの選択権をユーザに与えるようにしてください。このやり方の本質は損害を破りそうな感覚を人為的に作り出していることですから、損失回避のためにユーザが我々の期待通りに動きます。 

CTAについていろいろ説明しましたが、CTAの重要性がわかっていただいたでしょうか。CTAはもちろん重要ですが、決定的要素ではありません。実際のアクションを生み出すものは絶対単なるフレーズやボタンではないからです。ボタンのクリック率がボタンそのものではなく、コンバージョン戦略に左右されることを忘れないで下さい。コンバージョン戦略の前提があってからのCTAです。だからCTAに力を尽くすより、「不意を突く」ところに工夫しましょう。 

まとめ 

LPの構築における4つのポイントについて説明しました。「科学的アプローチ」、「素早い作成メソッド」、「高い説得力」、「効果のあるCTA」。LPは広告運用などと合わせて様々な購買意欲を持つ潜在顧客にアプローチができる一方、運用の最適化をしないと目的に向けたパフォーマンスを最大化することができません。

広告で訴求しているメッセージと合わせてこの4つのポイントを押さえながら改善を進めていき、ぜひユーザーのモチベーションを上げていき、効果が出せるようにしていってください。 

いかがでしたでしょうか?ぜひシェアをお願いいたします。